一条工務店はレゴハウス?!不自由な間取り設計

みなさんこんにちは。あのんです。
まだ打ち合わせ自体は2回しかおこなっていない私ですが、事前に調べて覚悟していた一条ルールが我が家にも降りかかってきて、なるほど!これが噂のか!と感慨深いものがありました(笑)
そんな一条ルール、見えてきた法則を今回はお話していきたいと思います。

 

そもそも一条ルールってなに?

って方のためにまずはご説明させていただきます。
他の方のブログでもよく登場する言葉なのですが、これは間取り設計時において一条工務店の独自ルールとも取れる制約が発生することを指しています。

この制約により、思う通りに間取りが取れず苦労されている方も多いのではないでしょうか。

これは他社と相見積もりをしたりしていると余計に強く感じる傾向にあります。
他社では柔軟に間取り設計が出来ているのに、一条工務店では出来ないなんて事がどうしても多々発生してしまうため、そう感じてしまう方が多くいらっしゃるようです。

一条工務店は長期優良認定住宅

一条工務店ではしばしば、ここの窓はこの大きさまでしか取れない、ここにSタレ壁が出現する、リビングダイニングのあいだに壁をふかす必要があるといった構造上の制約が発生する事があります。
これは他社の長期優良住宅でもそうなのですが、一定の水準を満たさなければ長期優良住宅への認定がされないため、きちんとした構造計算を行うことによりどうしても避けられない問題となります。

構造計算とは

構造計算は簡単に説明しますと、その建物における本体の荷重(固定荷重)や家具などの積載荷重、それらが長期にわたって与える影響や(長期荷重)更に地震等が発生した場合の影響力(短期荷重)などを想定して建物の主要な部分(柱や梁、床や壁など)の抵抗力(応力)でどこまで耐えうるか限界値を計算することを(許容応力度)いいます。

構造計算は本来はどの木造建物でも必要なものなのですが、在来工法における四号建築物では簡略化することができます。
それは、きちんとした資格を有する建築士が仕様規定という建築基準法が定める仕様を守って設計した建物においては確認申請時に必要な資料の提出を省略できる四号特例という制度があるからになります。

4号建築物(4号建物)とは建築基準法第6条による分類。例えば、木造2階建てで延べ面積が500m²以下のものは4号建築物(4号建物)と呼ばれる。

足りない壁?増える壁?

四号特例で建てられた建物は建築基準法の仕様は守られているため構造上の問題はありません。
ところが、きちんと構造計算をしてみると必要な壁量が2割〜4割足りないという事もしばしば見られます。

一条工務店のi-smartやi-cubeでは在来工法ではなく2×6(ツーバイシックス)で建てられるためこの四号特例は適用されません。
よって建築申請時に構造計算のきちんとなされた資料が必要になります。
逆を返して見れば一条工務店のi-smartやi-cubeでは在来工法の家より壁が2割から4割増しになるということでもあるのです。

最大で4割も壁が増したら、そりゃ不自由に感じる箇所が出て来ても不思議ではありません。

四号特例と長期優良住宅

この四号特例は、昔からの大工や棟梁が木造住宅を勘で建てて来ていたことに対して、後から出来た建築基準法に対する救済措置にあたるものだったりします。
しかし2006年に一部のハウスビルダーの建てた家に置いて圧倒的に壁量が足りないという問題が千件以上も発覚したことがあり、一時廃止される発表がされていました。
けれど構造計算を今までやって来ていなかった在来工法での建築業において混乱が起こり、結局廃止されることのないまま続いています。
その後廃止される代わりに新しく登場した制度が長期優良認定住宅になるのです。

長期優良住宅は四号特例が廃止されて以降実施される予定であった申請項目をそのまま長期優良住宅の申請項目として流用して設計技術者の底上げを目的としているもので、認定がされることによって火災保険の減額や金利・税制の優遇など住宅の施工主にとってお得になるような制度のいろいろな差別化がされています。

あれ?でもそれじゃあ一条ルールって一条独特のルールじゃあなくて長期優良住宅のルールなんじゃないの?と疑問が出て来ますよね。
実は一条ルールにはもう一つ理由があります。

フィリピン工場と日本での作業

一条工務店は坪単価に含まれる標準装備が多いことでも有名ですが、そのほぼ全てが自社工場にあたるフィリピン工場で生産供給されているからになります。
その生産物は、標準仕様や標準外仕様の内部建具だけにとどまらず太陽光パネルやハイドロテクトタイル、断熱材のウレタンや、施工元に配られる釘に至るまで大変多岐にわたります。

これは家を建てる施工元によって品質に差が出ないようにするための工夫でもあるのですが、この工夫が間取りの自由を奪っている要因になりうることがあるのです。

我が家での一条ルール事例

例えば浴室なのですが、浴室は部屋丸ごとの完成形の状態でユニットとして工場から現場に届けられます。
この届けられた浴室のユニットを間取り上の浴室が入る部分にはめ込んで建築していくのですが、これによりある制約が生まれます。

 

まずは、この図をご覧下さい。

これは我が家での一例なのですが、この図の色を塗ってある部分が我が家の建設予定地になります。
我が家としては、北東側の公園を見下ろせるように二階にお風呂を持って来たかったのですが、前述の制約で断念せざるを得ませんでした。

なぜなら、我が家の北東側は北側斜線により勾配天井が発生します。
この勾配天井の部分にはあらかじめユニットで届く浴室には壁の高さが足りないことになりはめ込むことができません。
南側に建物をめいいっぱい寄せれば勾配天井にならないので持ってくる事も可能ではあると思いますが、それではせっかくの南側の日当たりが悪くなってしまいます。

また、この土地の形状上どうしても北東側公園に面する一角は全てが勾配天井になってしまいます。
ですので建物内で公園側の全ての面において浴室の配置ができないため間取りもかなり限られてしまいます。

もちろん二階に浴室を持って来なければ制約を受けることもありませんが、そうすると家事動線も悪くなりまた一階に作る予定のリビングも広く取れなくなってしまいます。

自由なようで不自由な外壁の模様

他にも、ハイドロテクトタイルは二色選べるのですが、ストレートなラインで切り返す方法でしかデザインを組み込めません。
例えばモザイクのように互い違いに配置したり、切り返しの部分でギザギザと段違いにしたりといった遊びも取り入れることができないのですが、これもフィリピン工場であらかじめ外壁は窓まではめ込んだ状態で現場に届けられる事が要因であるからです。

よく、引き渡し時にタイルの欠けやヒビが指摘されていますが、これも現場で一枚一枚タイルを貼り付けるのではなく、あらかじめタイルまで貼り付けられた壁がフィリピンから船に乗り輸送されてくるためになります。

複雑怪奇一条ルール

また構造計算も担当の設計士が行うだけでなく、フィリピン工場側でも行われます。
これにより一度決まったと思った間取りでも、後ほどNGとなり変更を余儀なくされることもあるようです。

上記に挙げた事例はほんの一部にしか過ぎず、他にも沢山の自社製品との兼ね合いによる制約があります。
この制約と長期優良住宅における制約が絡み合う二つの問題としてあまりにも複雑なために、簡単に理解がし難く一条ルールという独自のルールとして捉えられている、という訳なのです。

営業さんや設計士さんによってはこの両方のルールをきちんと把握しきれていなかったりして、説明が曖昧になり不信感からイライラを募らせることもしばしばあるようで、施工主としてみてはせめてきちんと把握してほしい所なのですがなかなか難しい問題でもあります。
というのも施工主の希望が十人十色で、よくある希望であれば織り込み済みで検討するのも容易になりますが、中にはレアケースもあるため把握していなかった問題が浮上してくるという側面もあるのです。

しかし、それも良い品質のものを極力安価で我々に届けるための企業努力からの副産物と思えば仕方ありません。

性能を手に入れるために

私としてはこのユニットをはめ込むスタイルがどうしてもレゴブロックで建てるイメージが拭えず、間取りを自分で工夫している時も脳内でカチャカチャとブロックをはめ込むようにして考えていたため一条工務店の家はレゴハウスだなと思えてなりません。
まぁ、元々承知の上でこの品質を求めて契約をしていますから、この過程もどこか楽しんでいる部分が大きいのですが…

この辺りを承知せず契約してしまうと、あれもできない!これもできない!と思ってしまうことになりかねません。
営業さんや設計士さんは概ね希望に沿うよう努力はしてくださいますが、努力ではどうにもならない希望もあるためなかなか全てを叶えることは希望の内容によっては難しくなってしまいます。

家は性能。まさにどこまでも性能にこだわったからこその問題と言えます。